MBOに関連する株式集約の相談は重要ポイント

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経営陣が自ら事業体の一部や関連会社の企業買収を行うMBOをスムーズに行う条件整備として、分散している株式を集約したり、少数株主から株式を取得する必要に迫られることは少なくありません。スピーディに問題なく株式を取りまとめるための相談や戦略構築は極めて重要になります。特に中小企業では株式が合理的な経営原理ではない要因で分散してしまっていることがあります。創業者の相続によって相続人に株式が移転してしまうとか、旧商法下で発起人が7名必要であった時代に設立された会社で経営者以外に株式を保有する株主が残っているケース、さらに取引先や従業員に株式を所有させている場合などがあります。経営上影響がない状態であれば問題ないのですが、事業の承継やM&Aによって会社の100パーセント支配権を企図する場合などでは、分散株式の集約や少数株主からの株式取得が重要になってきます。

キャッシュ・アウトという手法の選択

企業がMBOに踏み切る際に、株式集約のための手法としてよく用いられるのがキャッシュ・アウトです。端的にいえば、大株主が現金を対価とすることで少数株主の個別承諾を得ることなく強制的に株を取得し、少数株主を会社から締め出す方法で、広義的にはスクイーズ・アウトとよばれています。キャッシュ・アウト自体は以前からありましたが、2015年5月施行の改正会社法によって、それまでの株式交換や全部取得条項付種類株式などによるキャッシュ・アウトの仕組みに加えて、株式会社の総株主の議決権を90パーセント以上保有する特別支配株主であれば、新たに規定されたキャッシュ・アウト制度を利用して、ほかの少数株主に株式のすべてを直接売り渡すよう請求する株式等売渡請求が可能になったのです。とはいえ、実務上はいきなりキャッシュ・アウトを行う前に、任意買取の相談や交渉を行うのが一般的です。

迅速な意思決定と実現に寄与するキャッシュ・アウト

現在のビジネスシーンで実務的にキャッシュ・アウトが実行されるケースは、経営陣による自社の一部事業体や関連会社の企業買収であるMBOや、親会社が子会社を完全子会社化する場合などです。このうち近年増加傾向にあるのがMBOです。一般的には経営者が買収対象会社の将来のキャッシュ・フローを前提にした借り入れを活用して実施する場合や、経営者とファンドの共同買収が一般的です。経営者による事業体や関連会社買収は何より機動的な意思決定と迅速な実現が目的なので、何の手も打たなかったら解決が長引きかねない少数株主の排除対策として迅速な全発行済み株式の保有を目座します。この観点から、最も効率的な手段としてキャッシュ・アウトは優れた経済戦略と位置付けられています。ただMBOにおけるキャッシュ・アウトの採用に関しては、株主だけでなく、親会社、子会社、出資ファンドと十分に相談したうえで実施スキームを組むことが重要となります。

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